毎日毎日新しい手術でわからないことだらけ!
どうやって勉強したらいい?
新人さんのうちは毎日新しい症例ばっかりだし、大変だよね。
手術につく際の勉強のポイントについて紹介するね。
新しい手術につく際、久しぶりの手術の際など、オペ看に勉強はつきものです。
特に新人看護師の場合は、毎日が新しい症例ばかりで、今日の振り返りや明日の症例の勉強と忙しいですよね。
勤務終了後の疲れた体で勉強するので、体力も限界だし、時間も足りません。
なるべく効率よく勉強を進められるといいですよね。
そこで、オペ看が手術につく際に勉強する際のポイントについてご紹介します。
オペ看の方で日々の手術につく際の勉強方法に悩まれている方の参考になれば嬉しいです。
なつ
2次救急の中規模病院で働く、現役の手術室看護師です。
看護師経験は10年以上、手術室看護師歴はトータル10年になりました。
手術室看護師の観点から、手術室看護師に役立つ情報を発信しています。
手術室看護師に興味のある方、手術室看護師の方の参考になれば嬉しいです。
オペ看が手術につく際の勉強方法のポイント
まず勉強方法のポイントから説明するよ。
なるべく時間をかけずに効率よく学習できるといいよね。
勉強で時間がかかる理由として、勉強するポイントがわかっていないことが考えられます。
毎日日々の業務に追われ、疲れた体で時間のない中での勉強。
少しでも勉強する時間が短くなると、いつもより早く休むこともできるし、ゆっくりお風呂に入ることもできます。
体力も限界だし早く勉強して休みたいよ!
そんな悩みを抱えているあなたのために、手術につく際の勉強のポイントと、振り返りの際のポイントをわけてご紹介します。
必要なのは職場の「手術の手順書」だよ。
手術につく際は必ず目を通すよね。
自分で1から手順書を作成すると、理解はかなり深まりますが、かなりの時間がかかってしまいます。
職場に先輩方が作成した手順書があれば、手術の手順書を活用して勉強することで、勉強時間の時短になります。
手術の流れを把握するためにも、手順書をしっかり読みこんで理解することが大切になります。
勉強の際は、綺麗に書くというより理解することを意識してみて。
人に見せるものではなく、自分が理解できればいいので、自分にわかる略語を使用したり、自分が理解できるならメモ程度でも問題ありません。
職場で許可されているのであれば、写真や動画を活用するのもおすすめです。
器械台で器械を並べた写真を撮影したり、わかりにくい手順を動画に残すとより理解が深まります。
手術につく前の勉強方法のポイント
まずは手順書をしっかり読むことからはじめてみてね。
手順書を読んでわからない場所をピックアップする
ピックアップしたら、その分からないことを学習していくよ。
臓器の位置関係や血管がわからない場合は解剖の勉強をしていきます。
器械名や物品など、調べてもわからなければ、その内容をまとめて、手術前に先輩ナースに確認します。
まとめる際は、別のマーカーでラインを引いたり、付箋に書き出したりするとわかりやすくておすすめです。
わたしも職場の若い子に教えてもらったんだけど、
業者の器械の取り扱い方法や、手術手順など、最近はYouTubeに動画が公開されていることもあるよ。
動画だとイラストや写真を観るより理解が深まるので、わからない場合は検索してみるのもおすすめです。
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手術の山場を把握する
新人の頃はわかりにくいかもしれないけど、何度か手術につくうちにわかるようになってくるよ。
手術の山場は、手術の中で大切な操作やトラブルが起こりやすい場面のことをいいます。
トラブルが起こるリスクもあるので、スムーズに手術が進むよう、事前に把握しておくと、手術中にスムーズに動けます。
例えば、右半結腸切除術の場合、手術の山場は「腸切除」になります。
腸切で使用する吻合器の種類、使い方、吻合時や不潔操作の手順などが大切になってきます。
患者の個別性に合わせたアセスメントをし、予想される事態を想定して学習する
新人の頃は難しいかもしれないけど、アセスメントの力を鍛えるためにも大切だよ。
例えば開腹手術の既往歴のある患者さんの場合、腹腔内に癒着があることもあります。
手術が腹腔鏡手術の場合、癒着の程度によっては開腹をしたり、小開腹をして癒着剥離術が行われることもあります。
場合によっては、ファーストポートをいれて腹腔内を確認した後、小開腹へ移行することもあります。
慣れない手術の際は、突然予想外のことが起こると対応が難しいこともあります。
合わせて物品の準備もできていると、よりスムーズに行動できます。
手術後の振り返りの際の勉強方法のポイント
振り返りのポイントは、今日以上のパフォーマンスができるようにすること。
忘れた頃にこの手順書を見返すことで、症例につけるように追記していくよ。
- 手術前にわからなかった場所へ追記する
- 手術について、手順書通りでなかったところを修正する
- 手順書に記載されている内容では理解が不十分な箇所に追記する
手術前にわからなかった場所へ追記する
今回手順書をみてわからなかったことは、次回同じ症例につく際にも、手順書を確認しても同じようなところがわからないことが多いです。
そのため、わからなかったことを追記して、次回手順書を読み返した際に、理解できるようにします。
わたしも結構同じことを忘れてたり疑問に思ったりすることが多いよ。
自分の手順書にはメモ書きで解決できるように追記しているよ。
自分の手順書は自分しか見ないので、走り書きでも略語を使っても大丈夫です。
自分がわからなかったことが理解できるように追記していきましょう。
手術について、手順書通りでなかったところを修正する
手術についていると、「あれ?手順が違うな」と思うこともあると思います。
- 患者さんの病態によっていつもと違う手順になった
- 新しい機材や器械を使った
- 執刀医や助手が違う
- 手順書が改定されていない
患者さんの病態によって違う手順になることや、サンプルの機材や器械を使用すると、いつも通りの手順でないことがあります。
また医師によって、手順が違うこともよくあります。
病院によっては、同じ手術でも医師ごとにマニュアルが複数あり、場合によっては部屋準備や使う機材まで異なることもあります。
医師ごとに違う手順の際は、「〇〇医師の場合」と手順書に追記しておくとわかりやすいです。
忙しかったり人手が足りない病院だとよくあるけど、手順書が改定されていないことがあるよ。
その際は、手順書にしっかり追記したほうがいいね。
病院によっては日々の業務に追われ、手順書の改定まで手が回っていないこともあります。
その際は手順書にしっかり修正をしておかないと、次回の手術の際にとても困ることになります。
この場合は少し時間がかかるかもしれませんが、違った手順を修正して記載しておきましょう。
手順書に記載されている内容では理解が不十分な箇所に追記する
先輩看護師がマニュアルを作成しているので、まだ知識のたりない新人看護師の場合、手順書に記載されている内容だけでは理解が難しいことがあります。
手順書を読んで、この書き方だとわかりにくい、理解できないというところに追記しておくと、次回読み返した際に理解しやすいです。
自分がわからないと思う箇所には、しっかり追記をしていきましょう。
手順書に記載しておくとよい内容
手順書にどんなことを書いておけばいいかわからないよ。
慣れないうちはよくわからないよね。
わたしが手順書に記載している項目を紹介するね。
手術の手順書に追記と言われても、新人看護師の場合は何を追記したらよいかわからないこともあると思います。
そこで、手順書に書いておくと便利な項目をご紹介します。
手順書の追記に悩んでいる方は参考にしてください。
- 部屋の配置
- ベッドの作り方、ベッドの種類、機材の種類・配置、電源コードをどこからとるか
- 必要物品・予備物品
- 事前に出しておくものとスタンバイのものがわかるようにする
- 手術の手順・流れ
- 器械出しの場合:器械台の配置、並べ方
- 外回りの場合:体位のポイント、電気メスなどの設定内容、無影灯の位置など
- 医師によるこだわりポイント
- 解剖・病態生理
部屋の配置
手術ベッドの種類がたくさんある病院の際は、どのベッドを使用するか記載しておくと部屋準備の際に間違えることなくスムーズです。
麻酔方法や手術体位、執刀医によって、部屋の配置が異なってくることがあるよ。
麻酔方法や手術体位、執刀医についてもメモできているとわかりやすいね。
同じ手術でも手術体位や執刀医が違うと、別の手術のような部屋配置になることもあります。
部屋の配置が違うと、事前の準備が異なってくるので注意が必要です。
機材の配置なども記載しておきましょう。
病院によってはどこのコンセントにこの機材をつなぐなど決まっている場合があるので、その際は記載しておくとわかりやすいです。
必要物品・予備物品
物品を羅列して書いていると、次に準備する際にどの物品を出したらいいかわからなくなっちゃうよ。
最初から清潔野にだしておくもの、医師に確認して出すもの、スタンバイで置いておくものなどをわけて書いたり、異なる色のマーカーで線を引いたりしておくとわかりやすいです。
器械出しと同じく、わけてかいたり、マーカーで線を引くとわかりやすいです。
この状況になったら使用する機材・薬品などは、吹き出しなどでその手術の流れの場所にもメモを残しておくと、次に手術につく際もわかりやすいのでおすすめです。
手術の手順・流れ
手術の手順は最初から順に記載していくよ。
山場は詳しく書いておくとわかりやすいよ。
病院によっては器械台のどこにコンテナ器械を置くとか、洗浄用カップを置くということが決められているところもあります。
きっちりしている病院だと、メーヨ台の並べ方も決まっていることがあります。
基本的な手術体位を術式によって少しアレンジすることもあります。
その際に手術体位をとる注意点を記載しておくと、次回手術につく際にもスムーズに手術体位をとることができます。
術式や医師によって使用する電気メスなどのデバイスの設定内容が異なるので、使用するモードなどをしっかりメモしておきましょう。
無影灯は術野で合わせることもありますが、外回りが合わせる手術もあります。
アームをどの位置にしておくと、手術中に合わせやすいかを把握してセッティングしておくと、手術中に無影灯をあてる際、きれいに術野を照らすことができます。
例えば、器械の呼び方が異なるとか、この電気メスがお気に入りとか。
フットスイッチも好みによって、右足におくか左足におくかで違います。
手術中のテンションを高めるために、お気に入りのBGMが決まっている医師もいます。
こだわりのポイントがある場合は、忘れないようにメモしておきましょう。
解剖・病態生理
解剖は手術の基本だよ。
苦手意識があると思うけど、解剖が分かっていると先読みもしっかりできるようになるよ。
解剖や病態生理の勉強は時間がかかりますよね。
わたしも苦手なのでよくわかります。
コピーしてラインを引いたり書き込みをすると理解も深まるのでおすすめです。
絵が得意な人は、解剖は描いて覚えるという方もいました。
自分にあった勉強法で理解を深めていきましょう。
まとめ
今回は、手術につく際の勉強法のポイントについてご紹介しました。
基本は各病院の手順書をベースに、追記したり、修正していくことです。
手順書を一から作ると時間がかかるので、病院で作成されている、それぞれの手順書を活用して勉強していくと時短になりますよ。
手順書に追記しておくとよい点についてもご紹介しました。
オペ看の方の、効率の良い勉強の助けになれば嬉しいです。