オペ看の仕事ってどういう業務があるの?
学生時代は病棟看護師の勉強が中心だから、手術室看護についてはあまりわからないよね。
今回は手術室での看護師の仕事内容について紹介するね。
手術室配属の看護師、オペ看。
オペ看以外にも、「手術室看護師」や「オペナース」と呼ばれることもあります。
そんなオペ看ですが、「オペ看ってなにしてるの?」とか、「手術ってそんなにないから暇そう」とよく言われます。
そこで今回は、あまり知られていないオペ看の仕事内容についてご紹介していきます。
オペ看の仕事内容について興味がある方、オペ看が手術中以外に何をしているか知りたい方の参考になれば嬉しいです。
なつ
2次救急の中規模病院で働く、現役の手術室看護師です。
看護師経験は10年以上、手術室看護師歴はトータル10年になりました。
手術室看護師の観点から、手術室看護師に役立つ情報を発信しています。
手術室看護師に興味のある方、手術室看護師の方の参考になれば嬉しいです。
手術室看護師の仕事内容
手術中はなんとなくイメージできるけど、それ以外にはどんなことしてるの?
メインは術中看護だけど、それ以外にも業務はたくさんあるよ。
術中看護は、手術室看護師のメイン業務ですが、それ以外にも業務があります。
大きく分けると以下の4つになります。
- 術前看護
- 術前の情報収集、術前訪問、手術準備など
- 術中看護
- メイン業務の手術中の看護
- 術後看護
- 術後訪問など
- その他の雑務
- 部屋の片付け・掃除、器械洗浄、器械の滅菌業務、器械や物品のピッキング、マニュアルの作成・改定、物品の定数・滅菌期限確認など
術中看護以外にも様々な業務がありますが、オペ看以外にはあまり知られていないことも多いです。
その他の雑務に関しては、最近は業者が入り外注化されている病院も多くなってきているので、手術室看護師はより看護に専念できるようになってきています。
術前看護
どんな患者さんがどんな手術を受けるのか、カルテから情報収集をして、術前訪問で実際に患者さん会って確認していくよ。
その情報をもとに看護計画を立案していきます。
様々な不安を抱えてはじめて訪れる手術室で、術前訪問で会ったことのある看護師が1人いるだけでもちょっと心強くなりますよね。
わたしの家族が手術を受けた際も、「前日に話した看護師がいたからよかった」と話していました。
手術を担当する看護師が訪問できるのが一番いいけど、業務の関係で別の看護師が訪問することもあるよ。
なるべく担当する患者さんの術前訪問には自分で行きたいよね。
認知症の患者さんなどで、本人からの情報収集が難しい場合は、病棟看護師や主治医に確認していきます。
コロナ禍の前は、ご家族が面会に来ている時間に合わせて術前訪問をすることもありましたが、最近は面会制限もあるので、ご家族とお会いする機会が減ってきています。
ご家族にも手術中の待っている時間のこと、気になることを確認してお伝えしていましたが、最近は病棟看護師へ依頼して伝えてもらうようにしています。
室温調整や部屋のBGM、ベッドをあたためたりなど環境調整にも気をつけています。
器械に関しては、手術中に必要なものはもちろん、もしかしたら必要になるかもというものも準備しておきます。
事前準備をしっかりしておくと、手術時間も短くなって患者さんにも良い影響があるから欠かせないよ!
一緒に手術につく看護師や麻酔科医などとは、入室前にしっかり情報共有をおこなっています。
他職種ともしっかりコミュニケーションをとっていくのは大切です。
オペ看はチーム医療のなかで、患者さんの代弁者として関わっていくよ。
術中看護
病院によっては、外回り看護師が2人体制で手術につくところもあります。
心臓血管外科の手術や、緊急手術などで、器械出し看護師や外回り看護師の人数が増えることもありますが、基本は器械だし看護師1人・外回り看護師1人で手術につきます。
器械出し看護師と外回り看護師はそれぞれ役割が違うよ。
それぞれの業務を紹介していくね。
器械出し看護師
医療ドラマでよくクローズアップされる、ガウンや手袋をつけて、メスやはさみなどを渡す看護師です。
医療ドラマをみて、オペ看に憧れる方のほとんどは、器械出し看護師を指していることが多いです。
ドラマでのテキパキと器械を渡していく姿、かっこいいよね。
わたしもドラマで観た器械出し看護師に憧れてオペ看になった1人だよ。
- 清潔と不潔を理解する
- 器械の名前・用途を理解できる
- 手術の流れを理解して先読みできる
- 体内遺残防止のためにカウントをしっかり行う
- ガーゼや使用した器械の数、器械の破損の有無など
- 外回り看護師と連携できる
はじめは覚えることが多くて大変だけど、先輩がサポートしてくれるから安心してね。
手術中は、手順書や解剖をしっかり理解して、器械や物品の準備をおこない手術介助をおこなっていきます。
ベテランになると、メイヨー台(術野側で使う小さな器械台)に並べられている器械を見るだけで、今術野がどんなことをしているのか把握できます。
きっちり監修されている医療ドラマだと、メイヨー台の上の器械も、手術の流れに沿って配置されているので注目してみてください。
体内遺残防止については最近でもニュースでありましたが、しっかりとカウントを行う必要があります。
ガーゼや器械の数はもちろん、器械の破損の有無も1つずつ確認していきます。
外回り看護師
医療ドラマではあまりクローズアップされないけど、オペ看は外回り看護も行えるようになると一人前だよ。
多くの病院では、器械出し看護師がある程度自立したあとに外回り看護師をスタートする病院が多いです。
他で病棟経験があり、異動で手術室へ配属になった看護師の場合は、外回り看護師からスタートする病院もあります。
- 患者の不安を軽減し、意識のない状態の患者の代弁者になる
- 手術の流れを理解して先読みできる
- 物品準備、術野で使用する機械のセッティング
- 体内遺残防止のためのカウントができる
- 器械出し看護師とともにガーゼカウント、術野から落ちた器械のカウント
- IN/OUTを把握し、行った看護を記録に残す
- 器械出し看護師、麻酔科医と連携できる
- 患者さんの家族対応
手術を受ける患者さんは、様々な不安を抱えているので、不安を軽減できるように環境調整を行ったり、コミュニケーションをとっていく必要があるよ。
手術の流れを理解して、物品や機械のセッティングをおこない、手術が円滑にすすむようにサポートしていきます。
体内遺残防止は器械出し看護師だけでなく、外回り看護師も術野の外にあるガーゼや器械を数えてカウントしていきます。
器械出し看護師同様、外回り看護師も声を掛け合い、連携していくことが大切です。
また、患者さんの家族への声かけも大切な看護です。
手術時間が予定より延長するときや、10時間を超えるような長い手術のときは、待っている家族への声かけも大切になってくるよ。
病棟看護師とも連携して家族への対応を行ったり、病院によっては家族へ訪問して声かけをするところもあります。
術中看護では患者さんに目が向きがちですが、患者さんの家族への看護も大切になってきます。
術後看護
忙しい病院だと術後訪問に行けていない病院もあるよ。
でも、行った看護を評価するためにも、しっかり訪問できるようにしたいね。
以前に比べ、術前訪問を実施している病院は増えてきていますが、人手が足りないような病院や、緊急手術が多く入った場合、人員が足りず術後訪問に行けないこともあります。
術後訪問を実施する際に、手術で担当した看護師とは別の看護師が訪問を行う場合もあります。
担当した看護師のほうが、看護を評価しやすいので、なるべくなら担当した看護師が訪問することが望ましいです。
術後訪問件数が増えない理由としては、短期入院や日帰り手術の増加も関係しています。
昔に比べ、入院日数が短くなっているので、特に休日を挟むと退院をしていたということも多いです。
手術室では患者さんと長く関わることが少ないため、術後訪問は看護を振り返る貴重な機会になります。
術前訪問のように、術後訪問も実施率があがってくるといいですね。
その他の雑務
雑務については、他病棟の看護師にはあまり知られていないことが多いです。
最近は外注化も進んでいるから、手術室看護師の負担も軽減してきているよ。
手術が終わったあとの部屋の片付けや掃除、器械の洗浄・滅菌、ピッキング、物品定数や滅菌期限確認などは病院によっては外注化しているところも増えてきています。
外注化できていない病院では、その他の雑務で人手や時間がとられ、残業することも多かったです。
わたしが新人の頃は外注化していない病院も多かったよ。
最近は、器械の洗浄・滅菌は外注化になっている病院が多くなっているね。
外注化がすすむと、看護師は手術看護に専念できるのでありがたいですね。
まとめ
今回は、オペ看の仕事内容についてご紹介しました。
オペ看といえば器械出し看護師のイメージが強いと思いますが、外回り看護師も手術にはかかせないですし、他にも様々な業務があります。
術中以外の、術前・術後や雑務についてはあまり知られていないので、オペ看ってこんなことしているんだなと知っていただけると嬉しいです。
オペ看の仕事内容が気になっている方の参考になれば幸いです。